暮らしの道具となれる箱を
【蝋引き箱】

さらに、針金留めの「蝋引き箱」の製作が、“オーダーメイドの箱づくり”のその先の世界へと想いを導いてゆきます。蝋引き箱とはその名の通り、蝋引きされた板紙を使用した箱。そこに針金留めをほどこし正確な四角形をつくりだすには高い技術を要し、全国的にも製作実例が少ないため、イロイロコハコの真骨頂としています。

この「蝋引き箱」の耐久性・耐水性の高さ、そして革製品のように傷や色あせさえ味に変えていくという特徴は、「包装用」として最初の役割を終えた後も日々の生活の中で長期間の使用に耐えうることを意味します。
書類を整理したり、おもちゃをしまっておいたり、宝物を入れたりと、その人の生活に寄り添って一緒に年月を重ねていく。そんな「暮らしの道具」としての可能性に想いを馳せるうちに、いつしかそれが、イロイロコハコの理念ともなっていきました。
「自分たちは、単なる包装材料でなく、暮らしの道具にもなれるものをつくっている」。その意識が、職人たちの仕事への誇りをより強固につないでいるのです。